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2020年11月20日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯(8月1日〜31日分)を「追稿9」としてまとめた「シグナル交通安全雑記/第144回」を公開しました。

2020年10月21日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯(7月21日〜31日分)を「追稿8」としてまとめた「シグナル交通安全雑記/第143回」を公開しました。

2020年9月23日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯(7月1日〜20日分)を「追稿7」としてまとめた「シグナル交通安全雑記/第142回」を公開しました。

2020年8月21日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯(6月21日〜30日分)を「追稿6」としてまとめた「シグナル交通安全雑記/第141回」を公開しました。

2020年7月22日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯(6月1日〜20日分)を「追稿5」としてまとめた「シグナル交通安全雑記/第140回」を公開しました。

2020年6月24日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯(5月1日〜31日分)を「追稿4」としてまとめた「シグナル交通安全雑記/第139回」を公開しました。

2020年5月29日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯に4月20日〜30日の出来事を「追稿3」として加えた「シグナル交通安全雑記/第138回」を公開しました。

2020年5月29日

ドライバーを処罰する道路交通法の罰則における「刑罰」や「過失規定」、「両罰規定」などについて解説した「交通安全コラム/第27回」を公開しました。

2020年5月22日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯(4月1日〜20日)をまとめた「シグナル交通安全雑記/第138回」を公開しました。

2020年5月12日

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の経緯に2月末〜3月末の出来事を「追稿1」として加えた「シグナル交通安全雑記/第137回」を公開しました。

更新日:2020年12月3

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交通安全時評

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安全運転管理 あれこれ記 その173 安全の語り部
交通リスクコンサルタント 小林 實

口伝の大切さ

 昔から語り伝えられている物語や、神話歴史などを語り継ぐ人を「語り部」といっています。これは、文字のない時代から始まったもので、口承または口伝ともいいます。語り部は、宮廷における儀式の際に一定の詞章を詠むとか演奏したもので、このように古代から「語り継ぐ」という行為が行われていました。
 西洋音楽のほうでいえば、ハイドンは日本の江戸時代中後期に活躍した音楽家ですが、この頃ヨーロッパにはすでに五線譜もあり、作曲家がイメージしたものをすぐに記録できました。一方、当時の日本では、主に「口伝」であるとか「口三味線」といった形で教え伝えていたわけです。能楽の祖である世阿弥の秘伝は口伝にあるといいますが、能や浄瑠璃などの日本音楽に口伝というものがなければ、300年以上も経た今日までは、恐らくこうした日本音楽は残らなかったでしょう。

生の情報の手渡しを

 安全管理者を担当されている皆さんも、人事の異動などでそのポストが代わることも多いかと思います。その際に、ご自分の経験したこと、その間の出来事などを後任に伝えることになりますが、その際、文書などに記録された客観的なデータなども含めて、それらを正しく伝える必要があるでしょう。
 こうした場合、思い出しても嫌な出来事であるとか、不幸にも起きた事故などは、どうしてもこれを脚色、あるいは削除してしまいたい…という気持ちも起こるでしょう。最近、データ改ざんであるとか、文書改ざんなどということを聞きますが、これはぜひ避けなければなりません。つまり、過去に起きた出来事すべてから学ぶ―というスタンスを捨ててはいけないということです。
 また、文書に記録されている事柄だけではなく、そこに居合わせた当事者の生の声を聞かせることも大切です。要は、語り部のような意識で次の人にバトンタッチすべきでしょう。

深掘りが苦手な現代人

 世の中では、デジタル文化が発達し、人々は過去の歴史をあまり深掘りしなくなる傾向にあるといえます。過去の文献であるとか資料などの検索は、確かにインターネットで簡単にできますから、表面的な事象は簡単に知り得ることができます。しかし、これを深く掘り下げることには関心が薄れているようです。
 クルマ社会と呼ばれてせいぜい50年程度の歴史しかありませんが、それでも、その間にいろいろな出来事があったわけです。しかし、人々は、あんなことがあったっけ…といった程度の受け止め方で終わってしまうのが現実です。また、そのとき現場に居合わせた人から生々しい状況を聴く機会が次第に薄れてきていることも事実でしょう。
 そもそも、交通安全などはいわば日進月歩の世界であるから、過去に経験したことなどは役に立たない…と考える向きも多いのではないでしょうか。最近の交通安全の専門誌などを見ても、過去にすでにやった研究の二番煎じ的なものが目立ちます。これは過去の文献の精査が不十分であることの一つの証拠でしょう。

「報告の文化」と「伝承の文化」

 現場においても、団塊世代の大量退職などから、若手に対するノウハウの伝授ができにくくなっています。さらに、年代のずれから生じるコミュニケーションのギャップも問題で、安全を含めた技術の伝承が喫緊の課題となってきています。事実、このところ産業事故も多発傾向にありますが、これら団塊世代などの高齢化と中堅若手層の割合の減少から、保安技能の伝承や安全教育の不足が顕在化し、事故に結びつきやすくなってきていることも影響しているといわれています。
 リーズンという学者の言う「安全の文化」という言葉は、個人、企業において安全を最優先する組織文化のことですが、これを構成する要素の一つに「報告の文化」の必要性が挙げられています。ここでは、安全文化を醸成するためには、自分に不利なことも報告することが重要で、これにより、危険を継続的に摘み取れる企業風土が出来上がる―とされています。これをさらに拡大して、「伝承の文化」という考え方も含めるべきではないでしょうか。これによって、貴社の安全文化を次世代へ手渡しできることになるからです。
 前にも申しましたが、安全管理といった習慣化した業務における問題点は、なかなか担当している本人でも気づきにくいものです。そこで、退職したシニアやベテランが長年の経験で得た安全管理のノウハウ、つまり「暗黙知」をまとめて文書化し、「形式知」として次の世代へ継承することも一案でしょう。

DNAを次世代へ

 安全管理というのは、ゴールの見えないマラソンだ―とよく言われるところですが、組織のあらゆる階層には、次世代に向けた将来性の高いリーダーが存在するはずです。したがって、管理者の世代交代に当たっては、ゼロから再出発するのでなく、積み上げられた実績をうまく次の世代につないでいくための「伝承の文化」が必要であり、このための新しい有能な人材を見出す努力も、トップに課せられた大きな仕事だといえるでしょう。
 今や、こうした「安全の伝承」というものを、社内の制度や業務の中心に組み込むことが必要であり、これにより、まさに貴社のDNAを次世代に受け継ぐことになりましょう。デュポン社が安全文化を提唱し、その実績が今日まで継続しているのは、まさにこうした安全風土という伝統の継承にあるわけです。

(2020年10月)

 

小林實(こばやし・みのる)

 1959年慶應義塾大学大学院修士課程修了。警察庁入庁、科学警察研究所勤務。同研究所勤務の間、米国厚生省訪問研究員、フィリピン大学交通訓練センターでの教育指導などに従事。1989年交通部付主任研究官を最後に退官後、(株)損害保険ジャパン顧問、(財)国際交通安全学会顧問、主幹総合交通心理士。現在、交通リスクコンサルタントとして活躍。
 『運転学のすすめ』『安全への視点』『運転の構図』『あんぜんかわらばん』『クルマ社会の安全管理』『なぜ起こす交通事故』など著書多数。当社からは『安全運転管理のスタンス』『安全運転管理の心理学』を発行。 

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第173回
安全の語り部
第172回
黄信号と迷い
第171回
改めて「防衛運転」を考える その2
第170回
改めて「防衛運転」を考える その1
第169回
ポストコロナの安全管理
第168回
消火器はなぜあるのか
第167回
新型コロナと安全管理
第166回
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第165回
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第164回
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第163回
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第162回
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第161回
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平成の総括 その3
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0.5秒の持つ重み
第151回
老いの初心
第150回
2030年の交通社会
第149回
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第148回
ラスムッセンのSRK理論
第147回
JR西日本の「考動計画」
第146回
運転教育とコーチング
第145回
コーチングについて
第144回
かくれんぼができない子供たち
第143回
これからの安全管理
第142回
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第141回
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第140回
台車事故を考える
第139回
「注意」の落とし穴
第138回
デイサービスと安全管理
第137回
企業と労働災害
第136回
残酒(のこりざけ)運転
第135回
マナーについて
第134回
沈着な判断と行動が鍵
第133回
血液型と性格
第132回
忖度こそ安全マナー
第131回
タイヤ以外、何に触れても事故である
第130回
現場の声を聞く
第129回
運転の自動化とドライバー
第128回
人類は変化を続けている
第127回
眼の動きを捉える
第126回
プロアクティブな安全管理
第125回
次世代に向けた安全管理
第124回
思い込みの心理
第123回
これからの交通社会は?
第122回
レジリエントな発想
第121回
レジリエンスと安全管理
第120回
トンネルのリスク
第119回
突然死のリスク
第118回
バスの暴走
第117回
オアフ島と交通渋滞
第116回
安全管理八策
第115回
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第114回
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第113回
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第111回
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第110回
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第109回
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第102回
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第81回
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