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2018年8月23日

ホームページの内容を一部リニューアルしました。トップページに掲載されていた「シグナル交通安全雑記」は、交通安全時評内でお読みいただけます。

最終更新日:2020年2月17日

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交通安全時評

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安全運転管理 あれこれ記 その164 ハワイとレンタカー
交通リスクコンサルタント 小林 實

乗る前のチェック

 年末年始などの長期休暇には、相変わらず海外旅行が盛んです。ことに、身近なグアムやサイパン、ハワイなどは人気が高いようです。ハワイを例にとりますと、ワイキキでビーチ、ショッピング、グルメを楽しむ方にはバスなどの公共輸送機関もあり、また、近い将来にLRT高架鉄道の開通も見込まれていますから、足の不自由はあまり感じないでしょう。しかし、その他の島では公共輸送機関はあまり期待できません。そこで、レンタカーが必須となるわけです。今回は、ハワイでの運転の注意事項をおさらいしてみましょう。
 ハワイ州はアメリカ合衆国の一つの州であり、運転に際しては適正な運転免許の取得が必要となります。かつては、我々日本人でも簡単にアメリカの免許を取得できたのですが、今では現地に居住していることが条件となり、取得が難しくなりました。我々の場合、日本で発行された国際免許証を持っていればよいのですが、幸いなことにハワイ州に限っては日本の免許証が通用します(入国1年以内に限り)。これは、我が国が台湾国籍の人に対し、台湾の免許で日本での運転を許可するという特例と同じで大変好都合です。ただし、日本の免許証というのは漢字で書かれているため、レンタカーの係員には読めないこともあり、また、運転中に何かの理由で警察官などに停車を求められることがないとも限りません。このため、運転免許証の内容を英訳した書面やパスポートを携行することをお勧めします。また、現地での混雑を避けるために、レンタカーの予約は日本でのネットによる事前予約を済ますのがよいでしょう。
 ほとんどの車は「キーレスエントリー」ですから、エンジンのスタートは押しボタン方式です。キーはすでに運転席のサンバイザーにはさんである場合が多いので注意してください。また、脚の長いアメリカ人が乗ることが多いので、シートの位置がかなり後ろのことが多く、まずシートの調整とあわせてミラーの調整も必要です。面倒なのであとでやればよいと思わず、出発前にしっかりやることです。
 意外とブレーキの効き方が、日本で乗っている自分の車と違うこともあります。4輪すべてがディスクブレーキなのか、一部にドラムブレーキが使われているのかによっても効き方が変わりますし、ことにスーツケースを何個も載せたりしていますと重量も結構なものになりますので、スタート直後に構内でブレーキの効き具合を試してみるのもよいでしょう。
 ハワイは天候が変わりやすく、運転中に急に雨が降り出すこともよくあります。かっこよいオープンカーなどではさすがに慌てますし、左ハンドル車ですので、ワイパーなどのスイッチ位置が左右逆の位置にあり、操作を誤ることがしばしばありますから、事前に操作方法を確認しておきましょう。現地では、昼間点灯する車がほとんどですので、あらかじめライトを自動点灯の位置にしておくのも一案です。

逆走の可能性もある

 ハワイは右側通行(左ハンドル)ですので、最初は若干の違和感がありますが、走り出すと「なんだ、大した違いではないな…」と思うかもしれません。したがって、普通に道路を走っている際の違和感は次第になくなってきます。しかし、スーパーなどで買い物をして道路に出る際など、ことに交通量が少ないときは要注意です。
 というのは、日本での運転の習慣がまだ残っていますから、左折時にすぐにハンドルを切って左車線に入る癖が出やすいのです。対向車がきていないと、そのまま気づかずに走って逆走…ということになってしまいます。ことに、視界の悪い夜間の運転は注意が必要で、左折の際はとにかく「向こう側に」という意識をもちましょう。
 もし逆走をしてしまったら、あわててUターンなどせず、ハザードランプを点灯して停止し、周囲の安全を確認したあとにゆっくりと行動することです。現地の人たちはこうしたトラブルの際に意外と親切ですから。
 日本とは座席の位置が変わるため、右側のサイドミラーの位置が遠くなると同時に、死角の範囲も変わります。中高年のドライバーは周辺視が低下しやすいので、さらなる注意が必要でしょう。

「4方向一時停止」の交差点

 オアフ島以外の島では交通量が比較的少ないことも多く、よく交差点で「4方向一時停止(4 way stop または All way stop)」、つまり、全方向からの車が一時停止をしなければならないところがあります(ちなみに丁字路では 3 way stop となります)。この場合、再スタートする順番が決まっていて、停止線に先に到着した順となりますので、ほかの車の動きもしっかり見ておく必要があります。
 また、自分の出番となっても、その間に歩行者が横断を始めたりしますと、歩行者が最優先となりますので要注意です。いずれにしても、自分では止まったつもりの「心理的な一時停止」ではなく、「物理的な完全停止」が求められます。
 交差点では多くの場合「常時右折可(日本での左折に当たります)」となっていますが、そうでないところもありますので、標識をよく見て走行することです。

4way.jpg righton.jpg

走行速度に気をつける

 街を外れますと、一般道路では片側一車線がほとんどで、速度制限は時速35-40マイル(約56-64キロ)ですが、ハワイ島などの離島では時速50マイル(約80キロ)以上のところもあります。また、追い越し区間は限られており、低速車がいると追い越しもできず渋滞しやすいので、最低速度制限が設けられているところもあります。このため、後続車に追い立てられることも多く、結構ハイスピードでの運転を強いられます。
 カーブが結構きついところやジェットコースターのようなアップダウンも多いので、あたりの景色に見とれず注意してハンドルを握ることです。

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 一方、街なかの速度規制は結構厳しく、場所によって時速15-25マイル(約24-40キロ)となっていますが、皆さん結構しっかり守っています。人通りが少ないからと、むやみにスピードを上げないよう注意しましょう。また、前の車にあまり接近しないことです。今話題の「あおり運転」と間違われますので。
 日本と違い、余裕をもって車線が設定されていますから、合分流の際はあわてないことです。ウインカーを出さずに車線変更をしてくる車も結構見かけますが、その動作は比較的ゆっくりであり、日本のような乱暴な急な割り込みは、ホノルルの高速道路以外ではあまり見かけません。

usetsu.jpg

 黄色いスクールバスに出合ったら、ご注意ください。このことは前にも書きましたが、この種のバスが学童を乗せたり降ろしたりするために停止したら、発車するまで後続車も対向車も「完全停止」です。子供の乗降時の安全確保が大前提だからです。要するに、どんな場合でもあわてた急な動作はしないことがハワイでの事故やトラブルを防ぐポイントだといえましょう。
 また、観光客だから警察も甘く見てくれる…などと考えることは禁物です。例えば、運転をしていて、車内にフタの空いたビール缶があれば、飲酒運転と指摘されることもあります。交通違反の取締りを受けると、場合によっては裁判所への出頭を言い渡されることもありますが、帰国して出頭を怠ったりすると、次回のアメリカへの入国が厳しくなる可能性もありますので、軽微な違反にも注意が必要です。

(2020年1月)

 

小林實(こばやし・みのる)

 1959年慶應義塾大学大学院修士課程修了。警察庁入庁、科学警察研究所勤務。同研究所勤務の間、米国厚生省訪問研究員、フィリピン大学交通訓練センターでの教育指導などに従事。1989年交通部付主任研究官を最後に退官後、(株)損害保険ジャパン顧問、(財)国際交通安全学会顧問、主幹総合交通心理士。現在、交通リスクコンサルタントとして活躍。
 『運転学のすすめ』『安全への視点』『運転の構図』『あんぜんかわらばん』『クルマ社会の安全管理』『なぜ起こす交通事故』など著書多数。当社からは『安全運転管理のスタンス』『安全運転管理の心理学』を発行。

 

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