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お知らせ
2018年8月23日

ホームページの内容を一部リニューアルしました。トップページに掲載されていた「シグナル交通安全雑記」は、交通安全時評内でお読みいただけます。

最終更新日:2019年11月20日

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周知のように、最近、いわゆる「あおり運転」による被害や事故が多くのマスコミ等によって報道され、社会問題化しています。

そこで、今回のコラムでは、「あおり運転」が、どのような法律に基づき、どのような処罰や処分を受けるのか―について解説します。 

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「あおり運転」は、他車に異常接近するなどして嫌がらせをしたり、危険を感じさせたりする運転として一般に理解されていますが、道路交通法には、「あおり運転」の定義や、「あおり運転」そのものを禁止行為とする規定はありません。そこで、警察庁は、通達のなかで、「あおり運転」をした際に伴う、以下のような運転の態様と、それらに該当する違反行為を公表し、警察では、これらを基に「あおり運転」の取締りを行っています。

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これらの違反行為にはそれぞれ罰金や懲役などの罰則(刑事罰)が設けられていますが、飲酒運転などとは異なり、その違反行為のすべてが「交通反則通告制度」の対象となる「反則行為」であるため、交通事故を起こした場合を除き、所定の反則金を支払えば処罰されることはありません。

「反則金」については、本項バックナンバーのNo.22「交通違反をしたドライバーが支払う『反則金』『罰金』『科料』には、どのような違いがあるのか―」を参照。 

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また、「あおり運転」の態様に該当する違反行為をすると、そのほとんどの場合、道路交通法の規定(点数制度)に基づき、所定の違反点がつけられますが、各違反の点数は1点または2点と低いため、免許停止や免許取り消しなどの処分に至ることはありません。ただし、違反直前の累積点や前歴によっては免許停止になる場合があります。

累積点や前歴がない場合、免許停止の基準は累積点6点―14点、免許取り消しの基準は15点以上。 

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しかし、道路交通法には、点数制度によらない免許の処分として、「自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがある者」(危険性帯有者)に免許停止処分を行うことができる―という規定があり、現在、警察では、警察庁通達に基づき、悪質・危険な「あおり運転」に対しては、「危険性帯有者」の規定を積極的に適用する方針を強めています。

免許停止の期間は、30日―180日の範囲内で決められます。 

 

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また、「あおり運転」に該当する違反行為をして人身事故を起こした者については、自動車運転死傷行為処罰法で裁かれ、その場合、通常は「過失運転致死傷罪」(最高刑・懲役7年)が適用されますが、「あおり運転」が、同法上の「危険運転」類型の一つである「妨害運転」(人・車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人・車に著しく接近し、かつ、重大な危険を生じさせる速度で自動車を運転した)であると認定されると、より罰則が重い「危険運転致死傷罪」(最高刑・懲役20年)が適用されます。 

過失運転致死傷罪が適用された場合、道路交通法違反も併せて適用され、両者の「併合罪」によって裁かれることになります。「併合罪」とは、2個以上の罪について裁く場合、そのうち最も重い罪の最高刑の1.5倍を限度(最高刑)とするという刑法上の規定です。なお、危険運転致死傷罪(妨害運転)の場合は、同罪の要件に違反行為(車間距離不保持など)が含まれるため、基本的に道路交通法違反は適用されません。 

なお、「危険運転致死傷罪」が適用されると、道路交通法上の違反行為である「危険運転致死等」または「危険運転致傷等」が成立し、「点数制度」によって45―62点の違反点がつけられ、その結果、免許取り消しの処分も受けることになります。

 

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また、前述の通り、「あおり運転」が道路交通法違反として検挙されても、交通事故に至らなかった場合、反則金を支払えば罰則(刑事罰)が免除されますが、警察では、警察庁通達に基づき、悪質・危険な「あおり運転」については、懲役や罰金などの刑事罰を科すことができるよう、「暴行罪」(最高刑・懲役2年)を積極的に適用する方針です

「暴行罪」とは、刑法上の罪の一つで、「暴行」を加えた者が人を傷害するに至らなかったときに成立するものですが、「暴行罪」でいう「暴行」とは必ずしも身体的な接触を必要とするものではないことが判例等で示されており、警察庁通達は、こうした判例等に基づいて「あおり運転」を「暴行」とみなし、積極的に「暴行罪」として立件していく―という趣旨によるものです。

ちなみに、「あおり運転」後に相手に暴力を振るい、けがをさせた場合は「傷害罪」となり、けがをさせなかった場合は「暴行罪」になります。
 

(2019年8月30日) 

 

 

 

 

 

 

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   近年の道路交通法 一部改正の要点

   A4判 40ページ カラー1211コラム-a.gifのサムネール画像

●平成18年6月施行分から最新施行分までの道路交通法一部改正の要点について、わかりやすく丁寧にまとめた冊子です。イラストや写真等を豊富に使用し、詳細な説明が必要な部分には注釈を添えるなど、誰もがしっかり理解できるよう工夫しました

●また、参考資料として、「近年の主な道交法施行令等一部改正の要点」、特別企画として、「人身交通事故の処罰規定の変遷」と「飲酒運転の罰則等の変遷」を掲載しました

 

 

 

 

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バックナンバー

No.23
道路交通法などの法律に基づく「あおり運転」の処罰・処分は、どのようなものか―
No.22
交通違反をしたドライバーが支払う「反則金」「罰金」「科料」には、どのような違いがあるのか
No.21
自動運転(運転自動化)技術の段階を示す「レベル」とは、どのようなものか―
No.20
横断歩道を渡る歩行者を保護するためのドライバーの交通ルールとは―
No.19
都道府県公安委員会規則には、どのようなことが定められているのか―
No.18
安全運転を支援する「先進安全装置」の機能・効果とその注意点とは―
No.17
国や都道府県の交通安全対策を推進するための体制は、どのように定められているか―
No.16
自転車による人身事故で運転者に問われる法的責任はどのようなものか―
No.15
道路交通法一部改正は、どのような法的手続きを経て、実施されているのか―
No.14
道路交通法関連手数料の改定は、どのような法的手続きによって行われているのか―
No.13
「安全運転管理者制度」は、その発足以降、どのように拡充・強化されてきたのか―
No.12
交通安全にかかわる法令には、どのようなものがあり、どんな内容が規定されているのか―
No.11
新設された準中型免許や準中型自動車にかかわる規定にはどのようなものがあるか―
No.10
道路交通法において、高齢ドライバー対策の規定はどのように強化されてきたのか―
No.09
複雑な新・免許制度において、各免許で運転できる自動車の範囲はどうなっているのか―
No.08
道路交通法上、自転車の通行場所のルールはどのように変わってきたのか―(3)
No.07
道路交通法上、自転車の通行場所のルールはどのように変わってきたのか―(2)
No.06
道路交通法上、自転車の通行場所のルールはどのように変わってきたのか―(1)
No.05
危険運転致死傷罪の新設以降、人身交通事故の処罰規定はどのように強化されてきたのか―(2)
No.04
危険運転致死傷罪の新設以降、人身交通事故の処罰規定はどのように強化されてきたのか―(1)
No.03
道路交通法上、飲酒運転はこれまで、どのように厳罰化されてきたのか―(2)
No.02
道路交通法上、飲酒運転はこれまで、どのように厳罰化されてきたのか―(1)
No.01
どのようなルール違反が「自転車運転者講習」の対象になるのか--

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