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2018年8月23日

ホームページの内容を一部リニューアルしました。トップページに掲載されていた「シグナル交通安全雑記」は、交通安全時評内でお読みいただけます。

最終更新日:2018年11月8日

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交通安全時評

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現行の「道路交通法」は、半世紀以上も前の1960年(昭和35年)6月に制定公布され、同年12月に施行されたが、その後の道路交通状況等の急速な変化に対応するため、毎年のように一部改正を繰り返し、「継ぎ接ぎだらけ」となっており、国民の圧倒的多数の日常生活に直結する最も身近な「生活法」であるにもかかわらず、容易には理解し難いものになっているばかりではなく、道路交通の現状とは著しく整合性を欠き、不合理な部分も少なくない、よって、一部改正という、いわば「小手先」の対応ではなく、これまでと今後の道路交通状況の変化を十分に踏まえた「新道路交通法」の制定をこそ早急に実現すべきだ―ということを、この「雑記」で度々アピールしてきましたが、今回も、これまでには取り上げたことがなかった現状の「道路交通法」の「わかりにくさ・不整合性」の問題点の一つを紹介してみようと思います。

今回の問題点というのは、通行方法や交通事故防止には直接的に関係しないと思われる問題かもしれませんが、現行の「道路交通法」の「わかりにくさ」を象徴する「自動車の種類」にかかわる問題点です。ただ、現行の「道路交通法」上で規定している「自動車の種類」自体は決して「わかりにくい」ものではありませんが、「自動車の種類」は、「道路交通法」での規定のほかに、「道路運送車両法」でも「自動車の種類」が規定されており、この両者の規定が同一でないため、結果、「自動車の種類」が「わかりにくい」ものとなり、さまざまな場面で無用な煩雑さをもたらしている―というのが正確な問題点です。

まず、圧倒的多数のドライバーが馴染んでいると思われる「道路交通法」上の「自動車の種類」は、「車体の大きさおよび構造並びに原動機の大きさを基準として」(1)大型自動車(2)中型自動車(3)普通自動車(4)大型特殊自動車(5)大型自動二輪車(6)普通自動二輪車(7)小型特殊自動車の7種類に区分しています。念のため、いわゆる「原付」、つまり、原動機付自転車は「自動車」の「種類」ではなく、「車両」中の一種として独立的に区分されています。そして、運転免許証の種類と運転できる自動車の種類、および通行方法等は、この「道路交通法」上の「自動車の種類」に対応していますので、ここまででは特に問題が生じるわけではありませんが、ナンバープレート(自動車登録番号標・車両番号標)に表示される数字による「自動車の種類」の表示等は、「道路交通法」上の「自動車の種類」とはかなりの相違がある「道路運送車両法」に規定する「自動車の種類」によるもので、この点の整合性を理解するのが「わかりにくく、やっかい」ということになります。

その「道路運送車両法」に規定する「自動車の種類」ですが、まず、「道路運送車両」とは、「自動車、原動機付自転車及び軽車両をいう」とされ、道路交通法上の「車両」に含まれる「トロリーバス」および「車両等」にくくられている「路面電車」は、この「道路運送車両法」の対象外となっています。そして、問題の「自動車の種類」は、「自動車の大きさ及び構造並びに原動機の種類及び総排気量又は定格出力を基準として」(1)普通自動車(2)小型自動車(3)軽自動車(4)大型特殊自動車(5)小型特殊自動車の5種類に区分されています。つまり、「道路交通法」にある「大型自動車」や「中型自動車」および「大型自動二輪車」、「小型自動二輪車」は「道路運送車両法」になく、逆に、「道路交通法」にはない「軽自動車」が「道路運送車両法」に規定されているという明瞭な違いがあります。

したがって、運転免許との関係から整理すると、「道路運送車両法」上の「普通自動車」であっても、そのすべてが「普通免許」で運転できるわけではなく、「道路交通法」上の「大型自動車」や「中型自動車」を運転するには「大型免許」や「中型免許」が必要になります。また、「道路運送車両法」では一律「小型自動車」や「軽自動車」に含まれる自動二輪車は、その大きさ等によって「大型自動二輪免許」や「普通自動二輪免許」を取得しなければ運転することができないという仕組みになっています。また、ナンバープレートに表示されている数字では、たとえば、貨物の運送の用に供する「道路運送車両法」上の「普通自動車」、つまり、一般的に言うトラックは一律「1」ナンバーとなりますが、そのなかには、「大型免許」や「中型免許」がなければ運転できないものもあれば、「普通免許」で運転できる車も含まれていますので、ナンバープレートを見るだけでは「運転免許」との関係が読み取れないということも生じます。またたとえば、最も一般的な「普通免許」で運転できる、いわゆる「普通乗用自動車」でも、「道路運送車両法」上、「小型自動車」に区分される「5」ナンバーもあれば、「道路運送車両法」上の「普通自動車」となる「3」ナンバー車もあるほか、ナンバープレートの色と記載文字の色が全く異なる「軽自動車」もあるというような「わかりにくさ」が生じています。また、一見、その大きさや形等が同一に思える、いわゆるライトバンやワンボックス車も、用途によっては「3」ナンバーや「1」ナンバーに分かれたり、「5」ナンバーや「4」ナンバーに分かれたりすることもあります。

また、「道路交通法」の「小型特殊自動車」は、その車長・車幅・車高を規定しており、その車長と車幅は「道路運送車両法」の規定と同一ですが、車高の規定は異なっているため、「道路運送車両法」上は「小型特殊自動車」でも、「道路交通法」上は「大型特殊自動車」となり、「大型特殊免許」を取得していなければ運転できないものもあるという「ややこしさ」も生じています。さらにまた、「道路交通法」にも、「道路運送車両法」にも、「自動車」には該当しない「原動機付自転車」が規定されていますが、「道路運送車両法」上の「原動機付自転車」は「第一種」と「第二種」に分かれており、「第一種」の「原動機付自転車」は「道路交通法」上の「原動機付自転車」の規定と同一ですから、いわゆる「原付免許」のみで運転可能ですが、「第二種」の「原動機付自転車」は「普通自動二輪免許」がないと運転できないという「わかりにくさ」もあります。

さらにまた、いわゆる高速道路の通行料金は、基本的に(1)軽自動車等(自動二輪車を含む)(2)普通車(3)中型車(4)大型車(5)特大車の5車種に区分され、通行料金が異なりますが、この区分は主に「道路運送車両法」上の「自動車の種類」がベースになっていますが、「普通車」の中には「道路運送車両法」上の「小型自動車」が含まれている反面、「道路運送車両法」上の「普通自動車」でも、いわゆる「1」ナンバーの貨物自動車は除かれています。また「中型車」の中には「道路交通法」上の「普通自動車」のうち「貨物自動車」が含まれるほか、「道路交通法」にも「道路運送車両法」の規定にもない「特大車」という区分があるなど、その車種分けは、やはり、煩雑で「わかりにくい」ものとなっています。

ただ、こうした複数におよぶ煩雑な「自動車の種類」の規定が、長年の慣行によるためか、実際の道路交通上やそれにかかわる様々な処理業務等に問題視しなければならない障害をもたらしているわけではありませんが、煩雑で「わかりにくい」ことは確かであり、多くのドライバーや国民の容易な理解の妨げになっているほか、たとえば交通量調査や交通事故統計業務等に不効率や不整合性をもたらしていることも確かでしょう。逆に言えば、複数におよぶ煩雑な「自動車の種類」の規定が何らかの利点をもたらしているとは思えません。つまり、「自動車の種類」の規定が複数あることは煩雑さや「わかりにくさ」の弊害をもたらしているだけで、利点は何もないと結論づけられます。したがって、この「雑記」で度々アピールしてきたように、1960年(昭和35年)に制定・施行以来、毎年のように一部改正を行い、「継ぎ接ぎだらけ」になって、なかには道路交通の現状とも著しく整合性を欠き、不合理な部分も少なくない現行の「道路交通法」を抜本的に見直し、これまでと今後の道路交通状況の変化を十分に踏まえた「新道路交通法」の制定をこそ、その実現を早急に図るべきだ―と思うとともに、その際、今回、取り上げた「道路運送車両法」等との不同一規定の改善を同時並行的に進めてほしいと切に願うものです。
(2013年5月15日)

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