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2018年8月23日

ホームページの内容を一部リニューアルしました。トップページに掲載されていた「シグナル交通安全雑記」は、交通安全時評内でお読みいただけます。

最終更新日:2018年10月15日

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交通安全時評

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新聞等の報道によると、今年6月に発足した東京都内の自転車対策を議論する「東京都自転車対策懇談会」(座長・森地茂政策研究大学院大学特別教授、委員・学識経験者、運輸業界、学校関係者ら34人)が去る9月10日にこれまでの懇談会の議論をまとめ、東京都にいくつかの「提言」をしたとのことで、その概要も掲載されていましたので、今回のこの「雑記」では、それを紹介しながら、「提言」の是非・問題点について考えてみることにします。

まず、東京都が「自転車対策懇談会」を設置し提言を求めたのは、いわゆる「自転車事故」の発生状況が年々悪化し、平成23年には都内で発生した交通事故の37%もが自転車が交通事故の一方の当事者になった「自転車事故」で占められ、その占率は過去10年間で最高になった―ということが大きな背景になっていますが、こうした状況は決して東京都に限ったことではありません。周知のように、全国の交通事故は、この10年近く、幸いなことに年々減少の傾向をたどっていますが、いわゆる「自転車事故」は減少傾向にあるとはいえ、その減少ぶりは交通事故全体の減少ぶりよりも鈍く、その一方で交通事故全体に占める割合が年々高くなるという傾向にあり、全国統計でみても、今や「自転車事故」は、いわゆる「歩行者事故」の2倍以上も発生し、交通事故全体の20%以上を占め、自動車等相互の「追突事故」に次いで2番目に多い「多発事故」になっており、特に、東京をはじめとする大都市の市街地ではその傾向が一層顕著で、「自転車事故」対策が交通安全上の重要課題になっていることは確かです。

そんな状況を受けて、「東京都自転車対策懇談会」が出した「提言」の「目玉」は、「ナンバープレート制」と「デポジット制」の二つで、「ナンバープレート制」というのは、購入時に購入者の氏名や住所などを登録した上で、自転車後部にナンバープレートを取付け、その自転車利用者を判明しやすくすることで、危険運転の防止・ルール順守やマナーの向上を図り、人(歩行者)との接触事故を起こした時の「ひき逃げ防止」を狙いとするものです。また、「デポジット制」は、自転車購入時に一定の金額を支払ってもらい、手放す際に返金する仕組みで、いわゆる「放置自転車」の減少を図るのが主な狙いで、具体的には、自転車購入時に販売店で一定の預け金を支払い、氏名や住所などを登録した上で、ナンバープレートを取付け、預け金や登録者情報は都の指定団体が管理し、自転車の廃棄時にナンバープレートを返納してもらい、預け金を返すという仕組み・流れになりますが、東京都は今後この制度化の検討に入ることになっていますが、「懇談会」の座長を務めた森地茂特別教授は「自転車を使う人より迷惑している人の方が多い。問題を先送りせず、必ず解決してほしい」とのコメントも出しています。

しかし、全国の自転車メーカーなどでつくる社団法人自転車協会は「都内だけ購入費が上がり、売り上げに影響が出る」などと反発している(2012.9.4朝日新聞)ほか、現行の「防犯登録制度」との整合性、安価な自転車やインターネットによる海外からの通販購入自転車などに対するデポジットの実効性、そして既存の自転車に対する措置など課題も多く、実現への道のりは極めて険しいと思います。

まず、現行の「防犯登録制度」ですが、1980年(昭和55年)11月に制定された「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」(1993年・平成5年12月改正「改正自転車法」)の第12条第3項に「自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録(以下「防犯登録」という)を受けなければならない」とする「自転車等の利用者の責務」が定められ、また、同法第14条第2項には「自転車の小売を業とする者」の「防犯登録の勧奨」義務も定められており、これに基づき「防犯登録」すると、登録ステッカーが交付され、それを自転車のフレーム本体の目立つ個所に貼ることになっていますが、登録しない場合や登録ステッカーをはがした場合の罰則がありませんので、実質的効力がなく、大半の自転車が未登録になっているのが実態です。東京都では「ナンバープレート制」導入に当たっては条例での罰則導入も検討する見込みですが、現行の「防犯登録制度」の抜本的改正なしに、果たして、都のみで可能かどうか、大いに疑念が生じます。

また、いわゆる「放置自転車」対策が主眼の「デポジット制」についても、「預け金」の額をいくらにするのか、「預け金」が高すぎれば、制度導入への賛意が得られにくく、安ければ、その実効性に疑問が生じ、妥当な金額の判定が非常に難しいところです。ちなみに、去る9月4日の朝日新聞朝刊の記事によると、「都内で2009年度に撤去された放置自転車は約73万4千台。うち約4割の約31万3千台は、引き取りに来なかったため自治体が処分。都内区市町村の放置自転車対策費は約171億円に上っている」とのことで、放置自転車の処理に多大な都税が費やされているのが実態です。このように、放置自転車を撤去・保管しても4割もの所有者が返却を求めない―ということになっている、その要因として、都道府県によって違いはありますが、東京都の場合でいうと、放置自転車として撤去された自転車を持ち主が返却してもらう場合は、撤去保管等の費用負担金として約3千円が必要になることが挙げられます。つまり、3千円ほどもの負担金を支払うくらいなら、いわゆる量販店などでは1万円以下の新車を購入することもできるし、リサイクルショップなどに行けば、数千円程度でリサイクル自転車を手に入れることもできる―という現実が安易な放置・投げ捨てを助長しているといえます。したがって、「デポジット制」を導入したとしても、その預け金の額によっては「安易な放置・投げ捨て」の防止に寄与できる―というのには大きな疑念を持たざるを得ません。

念のため、「雑記子」は、自転車にナンバープレートを取付けるという方策には基本的に賛意を表しますが、現行の「防犯登録制度」や自転車の構造機能の安全性をチェックし証明する「TSマーク制度」や「BAAマーク制度」等が有名無実化している現状を抜本的に見直し、実効性が担保できる新制度に完成することなしには、せっかくの「ナンバープレート制」も結局は有名無実化してしまうことを大いに懸念するのです。また、「デポジット制」についても、「預け金」の額もさることながら、自転車小売販売の実態、つまり、いわゆる「自転車(専門)販売店」でよりも、量販店・スーパーマーケット、あるいはリサイクルショップ等多様なところで安直に購入できる市場の実態を抜本的に整備しなおすことなしには有名無実化してしまうと懸念するのです。さらにまた、こうした新制度導入が一自治体・東京都のみで行うことにも、その普及・実効性の点で疑念が生じますし、少なくとも、自転車事故防止対策としては、単なる一手立てに過ぎず、抜本的対策からはほど遠いと思うものです。

この「雑記」でも、過去に何度か取り上げたことがありますが、自転車事故問題の根本は、道路上の通行者を歩行者と車両(等)とに二大区分して、自転車を車両のなかの「軽車両」の一種として位置づけている現行の道路交通法上のあいまいな定義づけと、形骸化して現状にそぐわない通行方法等にあるのであって、これを抜本的に見直し、歩行者、自動車等の車両と並ぶ独自の交通パートナーとして明確な市民権を与え、道路も、歩道、車道そして自転車道の併存を一般化することなしに「自転車(事故)問題」の解決はあり得ないと考えるものです。もちろん、これらの実現には相当の時間と財源が必要であることはいうまでもありませんが、将来的なビジョンを明確にして、それを着実に実現していくためにこそ知恵を絞るべきです。少なくとも、半世紀以上も前に立法され、道路交通状況や自動車などの普及状況等が先へ先へと急速に変貌していくなかで、毎年のように、道路交通の実情と法の間に破たんが生じ、とりあえず、その破たん・破れを急場的に取り繕う一部改正を繰り返し、いわば「継ぎ接ぎだらけ」になっている現行の道路交通法を脱ぎ捨て、これから益々急速に変動していくであろう道路交通に十分に対応できる新たな道路交通法を作り出す作業をこそ早急に取り掛かるべきだ―と重ねて主張しておきます。
(2012年9月19日)

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