★当シグナルのホームページを立ち上げてからもう1年を過ぎました。弊社発行の月刊誌・交通安全キャンペーン誌「シグナル」を昨年4月発行の通巻No.410号をもって休刊しました関係もあってか、このホームページも予想以上に多くの方々にご覧いただいており、改めて御礼申し上げます。ただ、このホームページの内容は月ごとの更新ということで開設してきましたので、その点、物足りなさを感じる―というご指摘も少なくありませんでしたので、日々新たな書き込みができるブログというわけには行きませんが、1週〜2週ごとに最新の時評雑感をお届けする「シグナル交通安全雑記」を新たに立ち上げることといたしましたので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
★さて、記念すべき第1回目の『雑記』では、つい先ごろ、警察庁交通局から、昨年の全国の交通事故の発生件数等の確定数が発表されましたので、それを踏まえながら近年の全国の交通事故の発生状況についての雑感を記してみようと思います。
★昨年2007年、全国で発生した交通事故(人身事故、以下同じ)は83万2,454件で、前年より5万4,000件ほど少なく、2005、2006年に引き続き3年連続しての減少となりました。ご承知のように、懸案の交通事故による死者数は、1996年に1万人を割り込んで以来、ほぼ毎年減少の傾向をたどり、昨年は何と半世紀も前の1953年昭和28年以来の5,000人台にまで減少しました。しかし、交通事故そのものは、3年前まで増加基調にあっただけに交通事故件数の3年連続の減少は大いに歓迎すべきことです。しかし、この10年余りの間、交通事故そのものは増加基調にあったのに、なぜ、事故死者だけは劇的 に減少したのか・・・、また、国や地方自治体の財政難などの影響を受けて少なくても交通安全対策関係予算は、国でも地方自治体でも年々縮小されているのに、なぜ、交通事故は3年連続して減少したのか・・・、ほとんど定かではありません。この「なぜ」がしっかり解明されない限り、半世紀ぶりの事故死者5,000人台も、3年連続の交通事故減少も手放しで歓迎するわけにはいかないというのがこの『雑記』子の所感です。
★ちなみに、5,544人の交通事故死者数が記録された1953年昭和28年の全国の運転免許所有者数は237万人ほど、自動車の保有台数(小型特殊・原付、沖縄を除く)は100万台余りで、交通事故も8万件ほどしか発生していません。それが今では、免許保有者が90倍以上、自動車保有台数も30倍ほどに膨れ上がり、交通事故も10倍以上発生しており、交通事故発生の基本的条件は半世紀前に比べ劇的に拡大しています。そんななかで交通事故死者数は半世紀以上も前のレベルにまで減少したのは、なぜか・・・、免許保有者も自動車保有台数も依然として増え続け、交通安全対策関係予算は官民ともに減少しているのに、なぜ、交通事故は減少傾向に転じたのか・・・、それが問題だというわけです。
★今後、この『雑記』では、以上の今日の交通事故発生状況に基本的に付きまとう「なぜ」の解明やドライバーや歩行者などの交通事故防止、安全運転確保に真に役立つ情報等を綴っていく所存でおりますので、ご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。(2008年2月14日)