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道路交通法上、車両の一種である自転車が道路のどこを通行するのか―については、車道通行を原則ルールとしつつも、一定の要件を満たせば歩道や路側帯も通行することができる―という例外的なルールがあるため複雑ですが、こうした現在の通行ルールは、過去幾度かの道路交通法一部改正を経て作られたものです。

以下では、道路交通法の制定時まで遡り、自転車の通行場所のルールの変遷について解説します

 

 道路交通法制定施行当初(昭和35年・1960年12月施行)

歩道がある道路で自転車が通行できるのは車道の左側部分だけで、
歩道を通行することは一切禁止だった…

制定されたばかりの道路交通法(昭和35年・1960年施行)では、現行法の原則ルールと同様、自転車(車両)は、歩道がない道路では道路の中央から左側の部分を通行し、歩道がある道路では車道の中央から左側の部分を通行しなければならない―と規定されていました。しかし、現行法のような車道通行の例外となるルールは一切なく、自転車が歩道を通行することはいかなる場合も認められていませんでした。

なお、現行法では、周知の通り、自転車(軽車両)が道路(車道)の左側部分を通行する際は、必ずその左側端に寄らなければなりませんが、当時は、左側部分の幅員が3メートルを超える道路(車道)を通行する場合に限り、道路(車道)の左側端寄り通行(キープレフト)の義務がありました

 

昭和39年(1964年)9月施行・道交法一部改正

道路(車道)でのキープレフトのルールが確立されるとともに、
自転車の並進行為が禁止された…

昭和39年(1964年)9月施行の道路交通法一部改正により、自転車(軽車両)は、すべての道路(車両)で左側端寄り通行(キープレフト)をすることが義務づけられました。

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また、キープレフトの義務化と同時に、自転車(軽車両)が他の軽車両と並進することが禁止されました。ただし、二輪の自転車は、「並進可」の標識がある道路で2台までであれば並進することができる―とされました。

 

  

昭和45年(1970年)8月施行・道交法一部改正

二輪の自転車による歩道通行が可能になるとともに、
自転車道の通行義務が二輪の自転車に課せられた…

昭和45年(1970年)8月施行の道路交通法一部改正により、二輪の自転車は、車道通行の例外として、「歩道通行可」を示す標識がある歩道を通行できるようになりました。ただし、歩道通行中は「歩行者優先」の観点から、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行することが義務づけられました。

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この改正では、「歩道通行可」を示す道路標示がある場合も二輪の自転車は歩道を通行できる―とされたが、同時に施行された標識標示令一部改正で、この道路標示は新設されなかった。なお、自転車の「歩道通行可」を示す道路標示は、平成20年8月施行の標識標示令一部改正により新設された。
 

また、自転車道の規定が設けられ、自転車道がある道路では二輪の自転車は必ず自転車道を通行しなければならないことと、二輪の自転車以外の車両は自転車道を通行してはならないことが定められました。なお、道路交通法上の自転車道とは、自転車の通行の用に供するため縁石線または柵などによって区画された車道の部分をいいます。いわゆるサイクリングロードや歩道に設けられた自転車の通行スペースは道路交通法上の自転車道には当たりません。

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昭和46年(1971年)12月施行・道交法一部改正

歩行者の通行スペースである路側帯が新設され、
自転車は路側帯を通行できることとなった…

昭和46年(1971年)12月施行の道路交通法一部改正により、歩道以外の歩行者通行用のスペースとして、歩道がない道路の端に白線で区画された「路側帯」が新設され、路側帯の車両通行が原則禁止となりましたが、自転車(軽車両)については例外として路側帯を通行できることとされました。ただし、路側帯通行中は、歩道と同様に歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行することが義務づけられたほか、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合や路側帯が白の実線2本で区画されている場合(歩行者用路側帯)は自転車による路側帯通行が禁止されました。

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なお、この改正よりも前は、自転車を押して歩く場合も原則として車道を通行するなど、自転車に乗って通行する場合と同じルールが適用されていましたが、改正後は、二輪の自転車を押して歩いている者は歩行者とみなされ、歩道や路側帯(歩道等)がない道路ではその右側端に寄って通行し、歩道等がある場合はそこを通行することが義務づけられました

 

(2016年3月31日)

(5月掲載予定・「交通安全コラムNo.7」に続く)

 

 

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   自転車の交通ルールハンドブックgoannai1324-2015.gif

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●自転車利用者はどのような交通ルールを守らなければならないのか―、どの法令等がそのルールの根拠になっているのか―が一目瞭然でわかるよう、見開きで対比させるスタイルでまとめています。
●また、自転車事故の発生実態を事故データをもとに解説するとともに、安全通行のポイントも掲載して
います。

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