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各免許で運転できる自動車の車両総重量などの上限が一目でわかるクリアファイルわかっていますか?あなたの免許で運転できる自動車の範囲」好評発売中!

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最終更新日:2017年6月19日

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交通安全時評

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クルマは今日も走っている ノンフィクション作家 矢貫 隆 第53回 AEDによる救命率向上と長くなる搬送時間、この正反対の事態が意味するものは?

山頂のAED 

 神奈川県のなかほどに位置する丹沢山塊。山塊の最も南に位置する塔の岳は流行りの山ガールたちも多く訪れるが、鍋割山はその隣、1,273メートルの、山頂から富士山がきれいに見える山である。
 友人に誘われ、ボクがこの山に登ったのは1年前のこと。鍋割山の山頂にある山小屋、鍋割山荘の名物、鍋焼きうどんを食べにいく。そんな登山だった。
 歩き始めて3時間。樹林帯を抜けて視界がぱっと開けると「鍋焼きうどん」ののれんが見えた。そして、もう一つ。ボクの目を引いたのは、鍋割山荘の入り口に設置してあったAED(自動体外式除細動器)だった。
 こんな場所にAED。いや、こんな場所だからこそのAEDだと感心した。
 この前年、つまり今から2年ほど前、AEDの設置数は全国で12万9,000台ほどにまでなっていて、その後もどんどん増えていったから、鍋割山荘で目撃した時点でのそれは15万台を超えていたに違いない。そして今、その数は20万台を超えているのだという。
 だが……、と思う。
 設置台数が増えるのは歓迎だが、果たして、AEDは活躍しているのか!?
「絶大な効果があるAEDも、活用しなければ宝の持ち腐れだ」
 心配性のボクが本連載でこう書いたのは2年前のことだった。けれど、どうやら、それはいらぬ心配だったようである。総務省消防庁が発表した「平成21年 救急・救助の概要」にAEDの活躍ぶりを推測させるデータが掲載されていた。

うれしい現状

 発表された資料にはこう書いてある。
「市民による応急手当が実施された傷病者数は、全国の救急隊が搬送した心肺機能停止傷病者の42.8%(前年は40.7%)にあたる4万8,854人に及んでいます」
 バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)による応急手当件数の割合は過去最高だそうで、ここで言うところの応急手当とは心臓マッサージであり人工呼吸であり、そしてAEDの使用なのである。
 当然の結果としてDOA(Dead on Arrival =救急隊現場到着時あるいは来院時における心肺停止)状態からの救命率も向上している。
「平成21年中に救急搬送された心肺機能停止傷病者のうち、心原性かつ一般市民により目撃のあった症例の1か月後生存率は11.4%と過去5か年のうち最も高く、平成17年中と比べ、4.2ポイント上昇」
「一般市民により目撃のあった症例」とは要するに、必ずしも応急手当をしたわけではないけれど、とにかく一般市民が、まさにその現場を目撃したという意味。言いかえれば、目撃した一般市民がすべての症例で応急手当を実施していたならば、救命率はさらに高まった可能性があるということだ。
 それはともかくとして、生存率11.4%という数字はすごいと思う。何しろ、ボクがもっぱら日本の救急医療体制を問題にしていた時代―1980年代から90年代にかけて―のDOA状態からの救命率は、先進的な救急体制を整えていた欧米にははるかに及ばない3%弱だったのだから。
 救急救命士が実施する処置の充実を含む救急医療体制の整備。AEDの使用を含むバイスタンダーによる応急手当の実施率向上。それらが複合的に絡み合って、DOA状態からの救命率は、ついに11.4%にまで達したというわけなのである。発表された「救急・救助の概要」は、そんなうれしい現状を教えてくれたのだった。

タクシー代わり

 だが、なのである。
 日経新聞が「救急搬送時間、最悪に」との見出しを付け、先の「救急・救助の概要」を報じたのは9月9日のことだった。
「救急車が通報を受けてから医療機関に患者が収容されるまでにかかった時間の全国平均は前年より1.1分遅い36.1分となったことがわかった。10年前に比べ9分も長くなった。…略…遅れの要因について消防庁は『出動件数の増加で次の現場に行くのに時間を要したり、他の管轄の救急隊に駆けつけてもらうケースが増えたことが影響している』と分析」(一部抜粋)
 平成21年中の救急出動件数は前年比約2万5,000件増の約513万件、輸送人員も前年比約4,500人増の約469万人。10年前、約390万件(約375万人)だったものが平成17年に約530万件(約495万人)となり、以降、高止まりの状態が続いているのだ。しかも「搬送人員の0.8%が入院加療を必要としない傷病者」、以前にも書いたことだが、ここには、救急車をタクシー代わりに利用する不届き者も多く含まれているのである。年を追うごとに搬送時間が長くなっているのは当然の結果と言っていい。
 前述の、AEDの活躍とそれに伴う救命率の向上という「うれしい現状」。その一方で、この深刻な状況に向かって長くなり続けている救急搬送時間。発表された「救急・救助の概要」は、まるで正反対の事態を報告していることになる。
 考えてみれば、実に不思議な現実ではないか。一方は一般市民が応急処置の重要性の認識を深めている数字を示し、他方はその逆を示している。
 この事実が意味するのは?
 好意的に解釈すれば、もしかすると、「救急」をめぐる一般市民の認識は、今、過渡期にさしかかっているのかもしれない。認識が成熟すれば、救急車をタクシー代わりに使うような状況は減少していくのではあるまいか。
「救急・救助の概要」が明らかにした救急をめぐる現実は、楽観的にそう思い込みたくなるようなものだった。

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第132回
ドライバーの"運転したつもり"のなかに、事故防止のヒントがありそうだと思えて仕方がない
第131回
小学校に通いだす新1年生を守るため、ドライバーが細心の注意を払ってやるのが当然だ
第130回
「高齢」だけに答えを求めていては、タクシーの安全対策を見誤りかねない
第129回
自分の運転を冷静かつ客観的に見ることができる―、そういうきっかけになる高齢者講習だったらいいな
第128回
罰則が強化されても飲酒運転と決別しない人たち―、これは、まさにいま現在の問題だ
第127回
高齢ドライバー事故を報じるメディアは、何よりもまず"21年間の無策"について批判すべきだ
第126回
夜間の歩行者事故を防止するためには、警察だけではない総合的な安全対策が必要だ
第125回
子ども乗せ自転車を運転する父親や母親を対象に、保育園や幼稚園で交通安全教育を行うべきだ
第124回
多くの人が"この程度"のことを知っているだけで、視覚障害者の危うさを少しは減らすことができるはずだ
第123回
高齢運転者対策としての改正道交法、これいいよね、とは、ボクは言えない
第122回
自動車技術の進歩の歴史は、事故を確実に減らしてきた歴史でもある
第121回
街に氾濫している危なっかしいシーンを更新時講習で見せるべきだ、とボクは思う
第120回
高速道路の最高速度引き上げ問題に今必要なのは、「とにかく、やってみる」ではあるまいか
第119回
トンネル事故を防ぐため、そこそこ長大なトンネルでも安全施設の充実、整備を向上させなければならない
第118回
観光バスの運転手は、昔のように"特別な職業"でなければならない
第117回
事故死者数はまたすぐに減少傾向に戻り、それがしばらくは続くことになるだろう
第116回
強引に「事故減」にもっていかなくても、「環状交差点」に優位性があるのに疑いはない
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第113回
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第112回
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第111回
交通事故裁判を傍聴したボクは、対策が厄介なケースがたくさんあるのかもしれないと思った
第110回
6月1日に施行された改正道交法は、自転車安全対策の重要なピースになっていくだろう
第109回
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第108回
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第107回
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第106回
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第105回
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第104回
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第103回
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第102回
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第101回
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第100回
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第96回
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第95回
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第94回
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第93回
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第92回
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第90回
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第84回
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第82回
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第79回
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第76回
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路上で見かける幼い子どもたちは、大人が思いもかけない行動をすることがある
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第73回
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第72回
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第71回
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第70回
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第69回
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第68回
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第67回
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第65回
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第64回
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第63回
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第60回
窓ガラスを割る役目もあるシートベルトカッターは、津波などの水難事故のサバイバルの道具になり得る
第59回
地震による都心の大渋滞を体験したボクは、その安全対策を講じておく必要があると思った
第58回
自転車通行の実態を明らかにしなくては、自転車乗りのマナー向上にも策は生まれない
第57回
運転に深くかかわる生体機能の検査を広く多くのドライバーに行うべきだ
第56回
予測が追いついているか否か、安全速度とは、そういうものだと思う
第55回
タクシー特措法による減車は、タクシーの事故を減らすことができるのか?
第54回
性能が異なる自転車をひとくくりに分類していては、いつになっても有効な自転車対策は見えてこない
第53回
AEDによる救命率向上と長くなる搬送時間、この正反対の事態が意味するものは?
第52回
新たな飲酒運転対策のモデル事業では、徹底した効果測定の作業を望みたい
第51回
高速道路での走行には、いろいろな落とし穴が潜んでいる
第50回
必要なのは高齢運転者の排除ではなく、合理的な安全対策である
第49回
車両を運転しているという意識を忘れない、これが自転車に乗る心構えの初歩の初歩
第48回
自転車通勤は確かに楽しいけれど、事故のリスクが高いことも忘れずに
第47回
近年、めざましく普及が進むAEDは、ボクが驚くほどの効果を発揮していた
第46回
交通事故を防ぐための「念仏ではない対策」がようやく登場しつつある
第45回
事故の形態や発生場所はずっと変わらない、ボクにはこれが実に不思議なことに思えてきた
第44回
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第43回
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第42回
タクシーの「安全」「安心」が揺らいでいる、それこそが最大の問題なのだ
第41回
タクシーを運転するボクの目にはいくつもの「小さな危険」が飛び込んできた
第40回
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第39回
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第38回
いっこうに減らないバス・タクシーの事故、その背景にはドライバーの過酷な労働実態がある
第37回
ありふれた交通安全標語みたいだけれど、「油断大敵、1,000円高速道路」とボクは言いたい
第36回
自治体の負担金軽減により、ドクターヘリの普及にはずみがつくことを期待する
第35回
交差点事故の割合が微減している、ここに交差点対策のカギがあるのかもしれない
第34回
交通事故が減少しているからこそ浮き上がってくる課題がある
第33回
高速道路でのトラック事故、その背景に異変が起きるかもしれない
第32回
飲酒運転をする不埒なやからには疑似「怖い体験」をさせるのが一番だ
第31回
路上で倒れ込んだボクの脳裏には救急患者に関するあるデータが浮かんでいた
第30回
自転車もバイクもトラックも互いのあいだにある溝に気がついていない
第29回
客探しに目が向かう空車タクシー、その速度は高すぎる
第28回
無謀運転のスポーツサイクル乗りが今、街で増え始めている
第27回
登録制度と再規制、安心・安全なタクシーは復活するか!?
第26回
高齢者講習には「免許更新のついでの徹底検診」を
第25回
絶大な効果があるAEDも、活用しなければ宝の持ち腐れだ
第24回
「安全な自転車」の開発は自転車の多様化に拍車をかけるだけ!?
第23回
迷走する自転車の安全対策、本当に重要な問題を見極めるときだ
第22回
救急車の安易な利用が増え続ければ「有料化」が現実になるかもしれない
第21回
事故死者をさらに減らしていくために死者激減の「わけ」を早急に解明すべきだ
第20回
街路灯の整備は絶対に必要だけど、現実を考えて自衛しよう
第19回
運賃値上げのない地域にタクシー戦争あり、事故増加につながる危険性
第18回
事故が減るとか増えるとか、昼間点灯だけで交通安全をかたるのは間違いだ
第17回
AEDは救命率向上に大きな効果があるが、使えば必ず命が助かるわけではない
第16回
ツーリング中の中高年ライダーはこまめに休憩をとるべきだ
第15回
いつ発生するかわからない巨大地震にドライバーはどう対処すべきか
第14回
骨抜きにされた「運転者登録制度」では、規制緩和後の「タクシー問題」を解決できない
第13回
多くのドライバーは自転車の特性を理解していない、そのことを頭にたたきこんでおくのは重要だ
第12回
死者激減の原因を合理的に説明できない限り、根本的な安全対策を講じることはできない
第11回
規制緩和それ自体が悪いとは思わないが、そのしわ寄せを運転手に押し付けてはならない
第10回
「ここにAEDがあるぞ」と大勢の人に知ってもらう方策を考えるべきだ
第09回
事故死者数を減らすことは重要だが、それと個人の意思は別問題だ
第08回
自転車の走行環境とルールの整備という問題は、大きなテーマになっていくような気がする
第07回
タクシー運転手を体験した半年間で「稼げない構造」という問題が見えてきた
第06回
理念に沿わない駐車違反取締りは「取締りのための取り締まり」に進みかねない
第05回
飲酒が運転に与える悪影響をドライバーに体験させる必要がある
第04回
高度な機械の導入など、莫大な金をかけて高齢者講習の充実を図るべきだ
第03回
危険で迷惑な違法駐車車両だけに絞って場所も時間も関係なく取締りを徹底すべきだ
第02回
タクシーの現状を改善しようとするなら、運転手の低賃金問題は避けて通れない
第01回
近ごろの無法・無謀自転車問題の本質は、自転車に限らない安全教育の問題なのでは?

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