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最終更新日:2017年8月22日

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交通安全時評

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安全運転管理 あれこれ記 その48 カルガモ走行
交通リスクコンサルタント 小林 實

スリルの体験

karugamo.jpg 週末の高速道路乗り放題1,000円など、ETC搭載車に対する高速道路通行料金の割引によって、ETCが急速に普及しましたが、それも一段落した感があります。
 ところで、今年1月の新聞報道によりますと、大型トラックの直後を軽トラックで張りつくように走行し、ETCゲートをただで通過する—という不正を行っていたドライバーが検挙されたそうです。不景気が続くなかで編み出された「カルガモ走行」ともいわれる手口だそうですが、この犯人は常習犯で、約半年にわたり400回以上の犯行を繰り返し、総額約25万円の不正を働いていたということです。これは、駅の自動改札機を不正にくぐり抜ける手口とよく似ています。
 このドライバーはETCカードを挿入して高速道路に入り、出口ではカードを外していますから、当然ながら不正記録は残ります。今回の検挙のきっかけは、こうした多量の不正記録が発覚したためです。これは言うまでもなく違反行為ですが、それ以外にも大きなリスクを伴う行為であることを本人は理解していたのでしょうか? 仮に、前のトラックが何らかの理由で急ブレーキをかければ、追突はまず避けられません。仮に不正記録が集積されているとわかっていても、人間、一度こうしたスリルの体験を成功させると、そのリスクを軽く見てしまうのでしょうか。

信号が見えない

 これとよく似ているのは、俗に「金魚のフン走行」といわれるものです。青矢印信号に従って交差点を右折をする際、直前の大型トラックの後ろにぴたりと張りつくようにして右折をする車を時々見かけますが、そのさまが、ちょうど金魚のフンが連なっているように見えることから、その名がつけられたわけです。もちろん、後続車の運転席からは信号の表示が見えませんので、ただ前のトラックの行動に同調しているだけなのですが、仮に前のトラックが、青矢印信号が消える間際か黄色信号で右折をしたとしましょう。すると、その後続車が右折するときには、すでに赤信号になっている可能性が高く、下手をすると交差車両が突っ込んでくる危険もあります。
 高速道路でも、追越し車線を走る大型トラックの後ろから、そこのけそこのけとあおる車を見かけます。自分は急いでいるのだから…という意思表示なのでしょうが、これはかなり危険を伴う行為です。また、同じ会社のトラックやバスが連なって走る「梯団(ていだん)走行」でも、他の車をあいだに入れたくないことから、けっこう車間距離を詰めることがあるようですが、こういう場合にも同様のリスクが発生します。自分の仲間がまさか急ブレーキを踏むなどとは思っていないでしょうから、とっさのときの反応も遅れるはずです。

高齢ドライバーの不安感

 最近、高齢ドライバーによる事故が話題になっていますが、高齢ドライバーが運転中に抱く不安感というのは、どちらかというと単独走行時にあるようです。頻発する高速道路での“逆走”も、近くに他の車がいないときの判断ミスが主な原因といえるでしょう。
 たとえば、交差点を右折する際、自分が先頭車両ですと、右折のタイミングをつかむのに苦労して、いつ曲がったらよいか…と不安が募ります。直進してくる対向車のスピードと距離は時々刻々と変わりますから、正しいタイミングを見きわめるのはかなり難しいことです。加齢とともにこの機能が低下するという研究報告もあるくらいですから、高齢ドライバーには「できるだけ前の車にくっついて行動したい」という心理が働くわけですが、この場合にも、「カルガモ走行」と同様の危険があるといえましょう。
 皇居前のお濠でかつてよく見られたカルガモの親子パレードはほほえましい光景で、人々の気持ちを和ませてくれたものです。しかし、車の運転での「カルガモ走行」は危険度がきわめて高いことをぜひご理解ください。管理者の皆さまは、「カルガモ走行」のもたらすリスクをしっかり念頭において指導にあたってほしいものです。

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第133回
血液型と性格
第132回
忖度こそ安全マナー
第131回
タイヤ以外、何に触れても事故である
第130回
現場の声を聞く
第129回
運転の自動化とドライバー
第128回
人類は変化を続けている
第127回
眼の動きを捉える
第126回
プロアクティブな安全管理
第125回
次世代に向けた安全管理
第124回
思い込みの心理
第123回
これからの交通社会は?
第122回
レジリエントな発想
第121回
レジリエンスと安全管理
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第119回
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第118回
バスの暴走
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オアフ島と交通渋滞
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安全管理八策
第115回
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交差点での安全運転
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自転車事故と保険
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「安全神話」は崩壊したか?
第110回
新人教育のヒント
第109回
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第108回
再び問われるメンタルヘルス
第107回
ハイタクと安全管理
第106回
何を認知するのか?
第105回
交通安全標語の変遷
第104回
なぜゴリラは見落とされるのか
第103回
10年後の交通を読む
第102回
若者との接し方 指導教官の話から
第101回
若者とクルマ離れ
第100回
異常気象と安全運転管理
第99回
どうする物損事故
第98回
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第97回
「ハザード」の捉え方
第96回
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第95回
二つの鉄道事故に学ぶ
第94回
歩道橋について考える
第93回
死亡事故の減りにくい部分
第92回
交通違反の悪質性
第91回
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第90回
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第22回
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第21回
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自己防衛の殻を破る
第19回
トップの厳しい目
第18回
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