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平成29年3月12日施行の一部改正(準中型免許の新設、高齢運転者に対する認知症対策の強化)を収録した「普及版 道路交通法〈改訂第24版」好評発売中!

2017年4月17日

高齢ドライバーが加齢に伴う心身機能の低下を自覚し、事故防止のために実践すべきポイントをまとめた新版冊子「安全運転 10の心得」好評発売中!

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2017年1月 6日

お話を通して正しい(安全な)横断方法を楽しく学ぶことができる絵本形式の新版教材「ちからもちのおじさん」好評発売中!

2017年1月 6日

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最終更新日:2017年7月20日

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交通安全時評

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安全運転管理 あれこれ記 その09 安全の文化
交通リスクコンサルタント 小林 實

安全は仕事の一部

 工場などで大きな事故や災害が発生すると、決まってマスコミは「安全文化がいまだに醸成されていない」といったように、「安全文化」という決まり文句ともいえるキーワードを用います。言葉としては何となくわかったような気がしますが、この本当の意味するところは何なのでしょうか。
 よく引き合いに出されるのが、アメリカのデュポン社です。いまや、化学繊維をはじめ各種分野で世界のマーケットを席巻しているデュポン社ですが、創業は1802年といいますから、その歴史は今から200年も前にさかのぼります。
 デュポン社は、いくつかの工場事故の経験をもとに、「すべてのケガは防ぐことができる」という基本信念を連綿と今日までつなげ、事故を飛躍的に減少させたといわれています。「100万回に1回の出来事をやむを得ないこと、不可抗力としてこれに目をつぶってはいけない。やむを得ないことと取ることは重大災害の卵である」という考えを、社員全体の共通認識としてとらえ、彼らの行動様式のなかにこの思想を深く浸透させていったのです。
 数年前にデュポン社のホリデー会長が来日し、「企業のサステイナビリテイ(持続性)の秘訣」と題する講演をされた際にも、従業員を尊重することのなかで、「安全は仕事の一部」と位置づけ、これを連綿と200年間続けてきたことを強調されていました。これこそ、安全文化の模範といえるでしょう。もちろん、トップの組織における安全哲学の確立といったスタンスが必要で、これにより社員全員がやる気を起こすような雰囲気が確立され、これが伝承されていくことが安全文化の醸成にあたります。
 あのチェルノブイリの原子炉の爆発事故以来、原子力関係では安全文化の確立を目指した努力が進められています。もちろん、ここでの安全というのは、ちょっとしたインシデント(注1)も許さないという、ある意味での「絶対安全」に近いものでしょう。

数字減らしに躍起

no09_img01.jpg ひるがえって、我が国の道路交通での安全文化はどうでしょうか。2003年に小泉首相(当時)が「今後10年間で年間の交通事故死者数を5千人以下にし、日本を世界一安全な道路交通の国にする」と言っていましたが、これを安全文化という面からとらえると少し違うような気がします。仮に、この小泉さんの公約(?)が達成されたとして、果たしてそのとき、歩行者が今以上に安心して道路を渡れるかといえば疑問でしょう。確かに、一部の歩道で自転車が通れるようにしたことは、自転車事故の減少には効果があったかもしれませんが、そのしわ寄せで、歩行者が暴走自転車に脅かされることは一向に減らないのです。
 安全文化というのは、単なる数字での評価ではないでしょう。我が国の行政は、数字減らしに躍起になって、いろいろな形で法律や規制を厳しくすることに懸命です。しかし、極論ですが、これらはいわば対症療法であって、国民が自らの命、他人の命の大切さについて自主的に判断する、考えるというスタンスを奪っていることにならないでしょうか。安全文化の醸成は、お上の言う通りにやっていさえすればよい、法律さえ守ればよいという消極的なスタンスでは難しいと思います。

企業・地域単位で確立

 確かに、車大国のアメリカでは、年間の交通事故死者数は日本以上です。しかし、そんなアメリカのドライバーでも、ひとたび横断歩道を渡りそうな歩行者の姿を見ると、途端に遠くからスピードを落としながら近づいては止まり、歩行者を渡らせるケースが一般的です。前にアメリカのスクールバスのルールについて述べましたが、今、ドライバーに守られて道路を横断している子どもたちは、その体験が認知母型となり、将来ハンドルを握ったときに、ごく当たり前のこととして歩行者を守る運転ができるというわけです。
 こうしてみると、国単位といった大きな枠でとらえるよりも、デュポン社の例でもわかるように、企業単位とか地域単位でそれぞれの安全文化を確立していくことが先決になりましょう。そのためには、地道な努力が望まれます。

(注1) インシデント…重大事故に至る可能性がある事例が発生し、なおかつ実際には大事故につながらなかった潜在的事例のこと。 

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第133回
血液型と性格
第132回
忖度こそ安全マナー
第131回
タイヤ以外、何に触れても事故である
第130回
現場の声を聞く
第129回
運転の自動化とドライバー
第128回
人類は変化を続けている
第127回
眼の動きを捉える
第126回
プロアクティブな安全管理
第125回
次世代に向けた安全管理
第124回
思い込みの心理
第123回
これからの交通社会は?
第122回
レジリエントな発想
第121回
レジリエンスと安全管理
第120回
トンネルのリスク
第119回
突然死のリスク
第118回
バスの暴走
第117回
オアフ島と交通渋滞
第116回
安全管理八策
第115回
安全の費用対効果
第114回
交差点での安全運転
第113回
自転車事故と保険
第112回
感電のリスク
第111回
「安全神話」は崩壊したか?
第110回
新人教育のヒント
第109回
自動運転を考える
第108回
再び問われるメンタルヘルス
第107回
ハイタクと安全管理
第106回
何を認知するのか?
第105回
交通安全標語の変遷
第104回
なぜゴリラは見落とされるのか
第103回
10年後の交通を読む
第102回
若者との接し方 指導教官の話から
第101回
若者とクルマ離れ
第100回
異常気象と安全運転管理
第99回
どうする物損事故
第98回
ミラーの効用
第97回
「ハザード」の捉え方
第96回
「手術なき医学」からの脱却
第95回
二つの鉄道事故に学ぶ
第94回
歩道橋について考える
第93回
死亡事故の減りにくい部分
第92回
交通違反の悪質性
第91回
見える化
第90回
ハインリッヒの法則の逆読み
第89回
カクテルパーティー効果
第88回
指差し称呼
第87回
コミュニケーション・ミス
第86回
企業とゾンビ族
第85回
ハイブリッド
第84回
「運転技能」について
第83回
金魚のフン
第82回
5回のなぜなぜ
第81回
天井板崩落事故に学ぶ
第80回
荷役事故と交通事故
第79回
安全管理の格付け
第78回
交通KYTの限界
第77回
中小企業と安全管理
第76回
高年齢者の再雇用問題と企業リスク
第75回
「ハザード」の持つ意味
第74回
仮眠と過労
第73回
ハンドルを握る重み
第72回
厳しくなるメンタルヘルス対策
第71回
事故防止のために事業主は何をすべきか
第70回
多発するトレーラー事故〜プロドライバーの資質を問う
第69回
交通での安全マネジメント
第68回
「ゼロ」の持つ意味
第67回
スウェーデンとアルコール
第66回
北欧・コペンハーゲンの自転車道
第65回
無事故が続いていたら...
第64回
社会のスピード
第63回
国際運転免許
第62回
モラルハザード
第61回
コードンラインは不要だったか? ―首都圏での二次災害の可能性―
第60回
稲叢(いなむら)の火 ―防災の伝承を考える―
第59回
スイスチーズの大きな穴
第58回
外国人観光客と冬道事故
第57回
アビイ・ロードの横断歩道
第56回
安全そして安心を目指せ「運転代行業」
第55回
"不死鳥"の帰還
第54回
目先のリスク回避 ―バスの転落事故から―
第53回
ある学者の死を悼む
第52回
氷河急行の事故
第51回
企業も頑張っている!
第50回
うどん文化と運転
第49回
100円ライターのリスク
第48回
カルガモ走行
第47回
事業仕分け人
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お客様目線
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青矢印信号の謎
第44回
「安・近・短」のわな─グアムでの印象
第43回
120万という数字
第42回
加賀屋さんにみるCSR
第41回
「安全力」をアップしよう
第40回
「まぁ、いっか」の発想
第39回
元を質(ただ)す
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ランドマーク
第37回
誤探知
第36回
持続可能性
第35回
認知ギャップ
第34回
「パーおじいさん」のこと
第33回
40年の功と罪
第32回
キャリーバッグと事故
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KYTの落とし穴
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ゲリラ化する災害
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エスキモーと白
第28回
マニュアルにないもの
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あっ、カエルが跳び出すよ!
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経年劣化
第25回
我輩は「ジコ」である
第24回
タイタニック症候群
第23回
感覚の研ぎ澄まし
第22回
若い世代と安全管理
第21回
近づくもの・遠ざかるもの
第20回
自己防衛の殻を破る
第19回
トップの厳しい目
第18回
逆転の発想
第17回
ベトナムとヘルメット
第16回
心のサーモスタット
第15回
地図の効用
第14回
左か右か
第13回
銃社会のジレンマ
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はい作業とは
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ロータリー的発想
第10回
図と地の関係
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