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最終更新日:2017年11月17日

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交通安全時評

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安全運転管理 あれこれ記 その06 イタリアとリスク
交通リスクコンサルタント 小林 實

大いに異なる地域性

 今、日本の若い女性のあいだでヨーロッパのなかで人気が高い国はといえば、まずイタリアを挙げる人が多いでしょう。夏のイタリアの観光地は日本人でいっぱいです。しかし、安全運転管理の分野でもよく耳にする「リスク」という言葉には「冒険」の意味もあるように、さまざまなリスクを伴うのが海外旅行なのです。
 イタリアは、国土の面積が日本の約80%で、北部と南部とでは風土も違い、歴史的にも長年他国からの侵攻が繰り返され、小国が連立していたことから、サッカーを見てもわかるように、いわゆる地域性のようなものも大いに異なります。
 北イタリアはアルプスからの雪解けの豊富な水に恵まれ、自動車、時計などの機械産業や金融業が発達し、西ヨーロッパの影響が強いのに対して、南イタリアは古くからイスラムやギリシャなど異文化の影響が強く、これが同じ民族とは思えないほどの違いを生み出しています。ミラノに代表される北部は、気取りという雰囲気が強く、お洒落であり、南部のほうが開放的といいましょうか、ざっくばらんな雰囲気が強いようです。

日常的な荷物の未着

 先日、イタリアを訪れる機会があったのですが、まず、ミラノからの国内航空機に積んだはずの手荷物がナポリの空港に着いていないというハプニングに見舞われました。我々の感覚ではあり得ないことなのに、彼らにとっては、荷物がこない、紛失などは日常的のようで、搭乗者よりも遅れて到着した手荷物が“rush”(急ぎ)のラベルを張られてカウンター脇にいくつも放置されています。空港でのクレーム対応の窓口がなぜか多いのも納得できます。荷物が飛行機に乗らなければ翌日の同じ便で送るのが普通で、次の便でくるかどうかは保証がありません。
 このため、私を含めた数名の不幸な乗客は、荷物がないまま空港を後にしなくてはならず、日本のように宅配便もありませんから、自分の手元に届くまで最低数日はかかることになります。確かに航空会社と荷さばき会社は別で、しかも労働組合が強いせいもあるでしょうが、楽天的というか、こうしたリスクがあることは、ことに個人旅行をされる方にとって要注意でしょう。

鷹揚な国民性

no06_img01.jpgno06_img02.jpg こうした鷹揚な国民性は、あるときには効果を発揮します。たとえば第二次世界大戦の際に、ドイツのドレスデンでは連合軍の爆撃によって文化財がほとんど破壊されたのに対し、イタリアは参戦と同時に美術館、博物館を閉鎖するという保護政策をとるとか、無血開城をして、爆撃や空襲の難を逃れているのです。もちろん文化財への熱い思いもさることながら、こうした要領のよさもイタリア人の特徴なのでしょう。
 イタリアの失業率をみますと、北部が5%であるのに対し、南部は20%と圧倒的に高いのが現実です。このため、ナポリあたりでは物乞いが多く、スリにも注意が必要です。やせ衰えた大型犬をだしに使っての物乞いは、見ていて犬が可愛想で、動物愛護の精神からいえば問題でしょう。
 ローマの旧市内は昔からの石畳で有名ですが、女性がハイヒールで歩くと、疲れる、滑る、石のすき間にはまって抜けないなどの苦労があるようで、歩きやすい履物を用意すべきでしょう。
 また、公共の乗り物にはコンバリダート、つまり、「打刻」にまつわるリスクがあります。鉄道ですと駅の構内、バスや市電では車内に「打刻機」なるものがあり、購入した切符をここに通すと、日付や時刻が刻印されます。バスや市電では普段はめったに検札はありませんが、もしその際に打刻していないと、結構な罰金を取られるようです。しかし、実際に乗って観察していますと、ほとんどの市民は「ただ乗り」状態です。ミラノあたりでは、市電の復活は環境保全のためだとうたっていますが、市民への出血サービスという感じです。
 このほか、地下鉄の駅の自動券売機は故障が多くて長い列ができているとか、エスカレーターの手すりのベルトが階段部分より先に進んでしまうことに対しては、自動化についてはある意味で我が国よりも先を行くイタリアですが、保守点検は必ずしも十分ではない印象です。

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第136回
残酒(のこりざけ)運転
第135回
マナーについて
第134回
沈着な判断と行動が鍵
第133回
血液型と性格
第132回
忖度こそ安全マナー
第131回
タイヤ以外、何に触れても事故である
第130回
現場の声を聞く
第129回
運転の自動化とドライバー
第128回
人類は変化を続けている
第127回
眼の動きを捉える
第126回
プロアクティブな安全管理
第125回
次世代に向けた安全管理
第124回
思い込みの心理
第123回
これからの交通社会は?
第122回
レジリエントな発想
第121回
レジリエンスと安全管理
第120回
トンネルのリスク
第119回
突然死のリスク
第118回
バスの暴走
第117回
オアフ島と交通渋滞
第116回
安全管理八策
第115回
安全の費用対効果
第114回
交差点での安全運転
第113回
自転車事故と保険
第112回
感電のリスク
第111回
「安全神話」は崩壊したか?
第110回
新人教育のヒント
第109回
自動運転を考える
第108回
再び問われるメンタルヘルス
第107回
ハイタクと安全管理
第106回
何を認知するのか?
第105回
交通安全標語の変遷
第104回
なぜゴリラは見落とされるのか
第103回
10年後の交通を読む
第102回
若者との接し方 指導教官の話から
第101回
若者とクルマ離れ
第100回
異常気象と安全運転管理
第99回
どうする物損事故
第98回
ミラーの効用
第97回
「ハザード」の捉え方
第96回
「手術なき医学」からの脱却
第95回
二つの鉄道事故に学ぶ
第94回
歩道橋について考える
第93回
死亡事故の減りにくい部分
第92回
交通違反の悪質性
第91回
見える化
第90回
ハインリッヒの法則の逆読み
第89回
カクテルパーティー効果
第88回
指差し称呼
第87回
コミュニケーション・ミス
第86回
企業とゾンビ族
第85回
ハイブリッド
第84回
「運転技能」について
第83回
金魚のフン
第82回
5回のなぜなぜ
第81回
天井板崩落事故に学ぶ
第80回
荷役事故と交通事故
第79回
安全管理の格付け
第78回
交通KYTの限界
第77回
中小企業と安全管理
第76回
高年齢者の再雇用問題と企業リスク
第75回
「ハザード」の持つ意味
第74回
仮眠と過労
第73回
ハンドルを握る重み
第72回
厳しくなるメンタルヘルス対策
第71回
事故防止のために事業主は何をすべきか
第70回
多発するトレーラー事故〜プロドライバーの資質を問う
第69回
交通での安全マネジメント
第68回
「ゼロ」の持つ意味
第67回
スウェーデンとアルコール
第66回
北欧・コペンハーゲンの自転車道
第65回
無事故が続いていたら...
第64回
社会のスピード
第63回
国際運転免許
第62回
モラルハザード
第61回
コードンラインは不要だったか? ―首都圏での二次災害の可能性―
第60回
稲叢(いなむら)の火 ―防災の伝承を考える―
第59回
スイスチーズの大きな穴
第58回
外国人観光客と冬道事故
第57回
アビイ・ロードの横断歩道
第56回
安全そして安心を目指せ「運転代行業」
第55回
"不死鳥"の帰還
第54回
目先のリスク回避 ―バスの転落事故から―
第53回
ある学者の死を悼む
第52回
氷河急行の事故
第51回
企業も頑張っている!
第50回
うどん文化と運転
第49回
100円ライターのリスク
第48回
カルガモ走行
第47回
事業仕分け人
第46回
お客様目線
第45回
青矢印信号の謎
第44回
「安・近・短」のわな─グアムでの印象
第43回
120万という数字
第42回
加賀屋さんにみるCSR
第41回
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第40回
「まぁ、いっか」の発想
第39回
元を質(ただ)す
第38回
ランドマーク
第37回
誤探知
第36回
持続可能性
第35回
認知ギャップ
第34回
「パーおじいさん」のこと
第33回
40年の功と罪
第32回
キャリーバッグと事故
第31回
KYTの落とし穴
第30回
ゲリラ化する災害
第29回
エスキモーと白
第28回
マニュアルにないもの
第27回
あっ、カエルが跳び出すよ!
第26回
経年劣化
第25回
我輩は「ジコ」である
第24回
タイタニック症候群
第23回
感覚の研ぎ澄まし
第22回
若い世代と安全管理
第21回
近づくもの・遠ざかるもの
第20回
自己防衛の殻を破る
第19回
トップの厳しい目
第18回
逆転の発想
第17回
ベトナムとヘルメット
第16回
心のサーモスタット
第15回
地図の効用
第14回
左か右か
第13回
銃社会のジレンマ
第12回
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第04回
自転車の勘違い
第03回
脳のサボリ装置
第02回
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第01回
転倒リスク

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