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2017年4月17日

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2017年4月17日

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最終更新日:2017年4月28日

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交通安全時評

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事故が語る安全 日本ハイウェイセーフティ研究所所長 加藤 正明

第13回 カーブでの事故原因と防止対策

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横転事故の原因

見通しの良いカーブ
 日本の道路は勾配やカーブが多い。一般道路はもちろんだが、高速道路も例外ではない。比較的長い直線路でも、数キロも見通せる道路はまずないが、多少見通しが良いからといって気をゆるめることはできない。皮肉なことに、しばしば「見通しのよいカーブ地点」で事故が起こっているからだ。
 事故原因はさまざまだが、少し見通しの良いところにさしかかると、すぐ先にカーブが待ち構えていることを忘れて、スピードを出したくなることも原因の一つだ。特に郊外地では、市街地の生活道路でのイライラから解放されるため、スピードがオーバーしやすくなることが考えられる。しかし、カーブでの事故原因は速度超過だけとは限らない。カーブにはさまざまな魔が潜んでいるのだ。
 つい先ごろも、ゴールデンウイークの最中に東名のランプウエーでタンクローリーが横転する事故が発生し、関係者はあわやと肝を冷やしたが、事なきを得て、ホッと胸をなで下ろす一幕があった。
 高速道路といえば、平坦な直線路が伸びているイメージを描く人があるかもしれないが、そんなことはない。細長い日本列島を縫うように走る縦貫道路は、地域によってはトンネル部分のほうが多いのではないか、と思わせることがある。山ひだをうがつトンネルを抜けると、道はすぐ山腹に沿って左右どちらかに迂回(うかい)することになる。時にはそのまま谷を渡らなければならない。
 複雑な地形に応じた道路は当然ながらカーブを描くことになり、R(曲線半径)200〜300メートルという急カーブも珍しくない。カーブの曲率に応じて規制速度が設定されているが、速度超過する大型車による事故の発生を予防するため、大型車両にはリミッターの装着が義務づけられている。
 もちろん、インターチェンジと本線を結ぶランプウエーはR50メートルにも満たない急カーブが多く、規制速度も40キロ程度に抑えられている。それでも前記のようなタンクローリーの横転事故が起こってしまった。なぜか?

タイヤの限界
 原因についての詳細は調査中で、ここで断定的なことは言えないが、想像するに、おそらく強い遠心力に押されてタイヤが踏んばり切れなくなったに違いない。ご承知のように、遠心力の作用は速度が速くなればなるほど大きくなり、カーブの外側のタイヤ(右カーブなら左側)に大きな力が働く。したがって、正面から見ると、車体は大きく右に傾き、外側タイヤはつぶされたようにゆがみが生じる。
 そして限界を超えると、タイヤは圧力を支え切れなくなって、車体は横倒しになる。その前にドライバーは、全身で遠心力を感じるはずだが、そのとき速度を落とす(アクセルをゆるめる)代わりに、あわててブレーキペダルを強く踏みすぎたりすると、車体は足払いを食らったように、あっさりと横倒しになってしまうことになりやすい。
 とりわけタンクローリーの場合は、液体の積荷が遠心力による重心移動で外側に押され、さらに揺り戻されるため、車体のバランスが失われやすいので、急激な運転操作を控えることが大切だ。急カーブを安全に通過するためには、極力スピードを抑えて(規制速度を超えないで)、ブレーキを踏まず、下り勾配ではシフトダウン(2〜3速)して走行したいものだ。
 重心の高い雑貨類を積んだ車両の場合も、スピードのコントロールには細心の注意が求められる。積荷が軽いからと油断すると減速のタイミングを間違えることもある。特にカーブでは、積荷の状態をチラとでも念頭に置き、落ち着いてハンドル操作をしてもらいたい。

定員乗車と曲方指向

浮き上がる前輪
 普通の乗用車の場合、定員5人となっていても大人が5人、おしくらまんじゅうのようにぎゅうぎゅう詰めになって乗ることはめったにないが、若者たちのグループなどが定員乗車した乗用車の事故では、定員乗車が事故原因の一つと疑ってよいケースがある。
 定員乗車自体が悪いわけでもなく、法に触れるということでもないから、誰にとがめられることもないが、事故になったとすれば何らかの対策が求められよう。
 先日もゴールデンウイークに、見通しの良いゆるやかなカーブで、反対車線にとび出した乗用車が対向車と正面衝突し、一人が死亡する事故があったばかりだ。この種の事故の多くは、見通しの良いゆるやかなカーブで発生しており、ドライバーは免許取得1年未満で、父親所有の車を借用し、中高校の同窓生がグループで同乗していたケースが多いようだ。
 車の所有者はどうでもよいが、見通しの良いカーブで反対車線にとび出したという点は見逃すわけにはいかない。真っ先に頭に浮かぶのはスピードオーバーだが、次に気になるのはハンドル誤操作の直接原因である。どうして反対車線にとび出してしまったのか。
 この先は想像によるしかないが、後席に大人3人を乗せると、排気量の小さな乗用車(1500ccクラス)では、ちょっと荷が重すぎるとみてよい。後席の重みによって後輪が強く路面に押しつけられ、反対に前輪は浮き上がるかたちになって、その分ハンドルは軽くなるけれども、そのためにとっさの場合、ハンドルの切りすぎを招き、路外逸脱などを起こしてしまうことがある。
 また、山間部などのつづら折りのようにカーブの連続する個所では、速度をぐんと抑えぎみにしないと、ややもすればハンドル操作が遅れがちになって蛇行を招き、路外逸脱→斜面転落といった大惨事につながりかねないことを警戒しなければならない。

カーブの内側
 もう一つ注意しておきたいことは、カーブにおけるドライバーの「曲方指向」である。曲方指向というのは、カーブの大小にかかわりなく、曲がろうとするカーブの内側に無意識のうちに車体を寄せすぎる傾向のことで、ほとんどのドライバーがこの曲方指向を有しているが、そのために特に急カーブではセンターラインを踏み越して対向車に接触したり、最悪のケースでは正面衝突に発展する危険があることを、頭の片隅に置いておくべきであろう。
 以上みてきたように、カーブでは、一つの主因が直線的に結果(事故)に結びつくというよりは、主因が副次的な要因を招き、そこを新たな起点として新たな軌跡をたどるというかたちになって事故が発生することが多いようだ。そのため、最初に発生した目立たない主因が見逃され、事故の科学的な解明が遅れており、安全教育に結びつかないのは残念というしかない。

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