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2017年7月26日

高齢者の歩行者・自転車利用者・ドライバーの安全通行・安全運転のポイントを簡潔にまとめた新版リーフレット「元気な毎日は交通安全から!」好評発売中!

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平成29年3月12日施行の一部改正(準中型免許の新設、高齢運転者に対する認知症対策の強化)を収録した「普及版 道路交通法〈改訂第24版」好評発売中!

最終更新日:2017年11月20日

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交通安全時評

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安全運転管理 あれこれ記 その42 加賀屋さんにみるCSR
交通リスクコンサルタント 小林 實

29年連続1位

 石川県の和倉温泉にある「加賀屋」といえば、わが国を代表する温泉旅館として、たいへん有名です。もちろん、お値段も半端ではありませんが、そのおもてなしが非常に良いと人気沸騰中です。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」でも、この29年間連続で1位を保持しています。
 お客様の乗ったバスが玄関に着くと、何十人もの仲居さんが一列に並んでお迎えする光景は、テレビなどでもおなじみでしょう。1906年創業といいますから、今から100年ほど前、わずか12室しかなかった小旅館が、なぜここまで成長し得たのでしょうか?
 そこには徹底したサービスがあったからだ─といわれています。現在、客室数は232で1,274人を収容、宴会場だけでなんと42もあるそうですから、ちょっとした工場の生産ラインと同じような規模といえるでしょう。それだけに従業員のチームワーク、ことに、直接お客様と接する140人にものぼる客室係さんの連係動作が不可欠です。
 顧客満足度や企業の社会的責任、つまり、CS(Customer Satisfaction)とかCSR(Corporate Social Responsibility)というものの基本は、接客業では「お客様の声を大切に」にあるといわれます。加賀屋さんでは、“リーダー会議”なるものを常時開催し、クレームゼロを目指しておられます。どんな些細なクレームでも、これがいわばボトムアップの形で必ず上まで上がるシステムが構築されているのです。

現場に全権を委任

 加賀屋さんの対応は、アメリカのノードストロームという有名な百貨店のことを思い出させます。1901年、小さな靴専門店としてシアトルに誕生したこの会社は、マニュアルに沿った利益重視の経営から顧客サービス重視の経営へと視点を変え、後にアパレル会社を買収し、今日では、顧客サービスの優れた百貨店として注目されています。
 加賀屋さんと共通しているのは「サービスの徹底」です。そのために、顧客に接する機会の多い販売員の立場や意見を尊重し、売り場における全権を販売員に委任しています。ノードストロームの従業員ハンドブックには、“ルールその1”として「いかなる場合でも決定するのは皆さん自身であり、それ以外のルールというものはない」と書かれているそうですが、たとえば、販売員各自の権限で無条件に返品を受けつけているのも、「お客様を喜ばせる」ことに徹するノードストロームの企業文化があるからです。
 皆さんご存じの「ハインリッヒの法則」はピラミッド型をしていますが、ノードストロームの組織というのは、逆ピラミッド型だといわれます。組織の最上層には顧客があり、そのすぐ下に販売員、その下に売り場マネージャー、ジェネラルマネージャーが続き、最下層にいるのが役員という構図です。顧客に誠意を尽くせるのは売り場の販売員だとする発想は、現代風にいえばまさに「現場力」にほかなりません。たとえば、5年も履き続けた靴がすり減ったので返品したいと顧客にいわれた場合でも、その判断は販売員に任されます。もちろん、こうした返品制度が悪用されることもあるでしょうが、「98%の正直な人々に満足を味わってもらうことを身上とする」という企業のモットーが、これを支えているわけです。
 加賀屋さんのシステムも、まさにノードストロームの“逆ピラミッド型”の構図といえるでしょう(下図参照)。たとえば、女性宿泊客から「亡くなった夫と一緒に加賀屋へきたかった…」という話を聞いた場合には、すぐさま調理場に連絡し、夕食時に陰膳を用意する─といった具合に、臨機応変に顧客のニーズを知り、その手当てを現場の判断でしてしまうのです。

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現場に自由度を与える姿勢も必要

 企業においても、すべてマニュアル通りにすれば事足れり…ではありません。現場での機転といったものも必要でしょう。たとえば、宅配便のドライバーは「セールスドライバー」ともいわれているように、彼らの配達ぶりなり運転ぶりなりが営業成績に響いてきます。もちろん、これは宅配便に限らず、どんな企業のドライバーにもいえることです。それゆえ、現場に自由度を与えるトップの柔軟な姿勢とドライバーの十分な心配りとが求められているのです。

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第136回
残酒(のこりざけ)運転
第135回
マナーについて
第134回
沈着な判断と行動が鍵
第133回
血液型と性格
第132回
忖度こそ安全マナー
第131回
タイヤ以外、何に触れても事故である
第130回
現場の声を聞く
第129回
運転の自動化とドライバー
第128回
人類は変化を続けている
第127回
眼の動きを捉える
第126回
プロアクティブな安全管理
第125回
次世代に向けた安全管理
第124回
思い込みの心理
第123回
これからの交通社会は?
第122回
レジリエントな発想
第121回
レジリエンスと安全管理
第120回
トンネルのリスク
第119回
突然死のリスク
第118回
バスの暴走
第117回
オアフ島と交通渋滞
第116回
安全管理八策
第115回
安全の費用対効果
第114回
交差点での安全運転
第113回
自転車事故と保険
第112回
感電のリスク
第111回
「安全神話」は崩壊したか?
第110回
新人教育のヒント
第109回
自動運転を考える
第108回
再び問われるメンタルヘルス
第107回
ハイタクと安全管理
第106回
何を認知するのか?
第105回
交通安全標語の変遷
第104回
なぜゴリラは見落とされるのか
第103回
10年後の交通を読む
第102回
若者との接し方 指導教官の話から
第101回
若者とクルマ離れ
第100回
異常気象と安全運転管理
第99回
どうする物損事故
第98回
ミラーの効用
第97回
「ハザード」の捉え方
第96回
「手術なき医学」からの脱却
第95回
二つの鉄道事故に学ぶ
第94回
歩道橋について考える
第93回
死亡事故の減りにくい部分
第92回
交通違反の悪質性
第91回
見える化
第90回
ハインリッヒの法則の逆読み
第89回
カクテルパーティー効果
第88回
指差し称呼
第87回
コミュニケーション・ミス
第86回
企業とゾンビ族
第85回
ハイブリッド
第84回
「運転技能」について
第83回
金魚のフン
第82回
5回のなぜなぜ
第81回
天井板崩落事故に学ぶ
第80回
荷役事故と交通事故
第79回
安全管理の格付け
第78回
交通KYTの限界
第77回
中小企業と安全管理
第76回
高年齢者の再雇用問題と企業リスク
第75回
「ハザード」の持つ意味
第74回
仮眠と過労
第73回
ハンドルを握る重み
第72回
厳しくなるメンタルヘルス対策
第71回
事故防止のために事業主は何をすべきか
第70回
多発するトレーラー事故〜プロドライバーの資質を問う
第69回
交通での安全マネジメント
第68回
「ゼロ」の持つ意味
第67回
スウェーデンとアルコール
第66回
北欧・コペンハーゲンの自転車道
第65回
無事故が続いていたら...
第64回
社会のスピード
第63回
国際運転免許
第62回
モラルハザード
第61回
コードンラインは不要だったか? ―首都圏での二次災害の可能性―
第60回
稲叢(いなむら)の火 ―防災の伝承を考える―
第59回
スイスチーズの大きな穴
第58回
外国人観光客と冬道事故
第57回
アビイ・ロードの横断歩道
第56回
安全そして安心を目指せ「運転代行業」
第55回
"不死鳥"の帰還
第54回
目先のリスク回避 ―バスの転落事故から―
第53回
ある学者の死を悼む
第52回
氷河急行の事故
第51回
企業も頑張っている!
第50回
うどん文化と運転
第49回
100円ライターのリスク
第48回
カルガモ走行
第47回
事業仕分け人
第46回
お客様目線
第45回
青矢印信号の謎
第44回
「安・近・短」のわな─グアムでの印象
第43回
120万という数字
第42回
加賀屋さんにみるCSR
第41回
「安全力」をアップしよう
第40回
「まぁ、いっか」の発想
第39回
元を質(ただ)す
第38回
ランドマーク
第37回
誤探知
第36回
持続可能性
第35回
認知ギャップ
第34回
「パーおじいさん」のこと
第33回
40年の功と罪
第32回
キャリーバッグと事故
第31回
KYTの落とし穴
第30回
ゲリラ化する災害
第29回
エスキモーと白
第28回
マニュアルにないもの
第27回
あっ、カエルが跳び出すよ!
第26回
経年劣化
第25回
我輩は「ジコ」である
第24回
タイタニック症候群
第23回
感覚の研ぎ澄まし
第22回
若い世代と安全管理
第21回
近づくもの・遠ざかるもの
第20回
自己防衛の殻を破る
第19回
トップの厳しい目
第18回
逆転の発想
第17回
ベトナムとヘルメット
第16回
心のサーモスタット
第15回
地図の効用
第14回
左か右か
第13回
銃社会のジレンマ
第12回
はい作業とは
第11回
ロータリー的発想
第10回
図と地の関係
第09回
安全の文化
第08回
飲酒運転とJカーブ
第07回
視覚公害
第06回
イタリアとリスク
第05回
ボルボが似合った男
第04回
自転車の勘違い
第03回
脳のサボリ装置
第02回
おかしなアナウンス
第01回
転倒リスク

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